2024年6月1日土曜日第2回大人の遠足を実施しましたのでご報告します。
参加者は会員のご家族を含む4名でした。今回は1863年に福澤先生が訪れて、オランダ語が通じず英語を学ぶきっかけとなった横浜へ行って参りました。
1.みなとみらい線馬車道駅(改札内側)に集合
馬車道駅は、ホームや改札内側の壁に赤レンガが積まれたデザインとなっています。この赤レンガは、少し黒っぽく、表面がザラザラとした感じで古めかしさが感じられますが、これらはみなとみらい地区の再開発の時に馬車道駅の上にあり取り壊された横浜銀行旧本店で使われていた、大正時代に焼かれた赤レンガなのだそうです。改札を出て右側の通路の壁には横浜銀行旧本店にあった大きなレリーフが飾られています。又、反対の左側には同じく金庫の扉などの備品が壁に埋め込まれて展示されています。何やら馬車道駅は横浜銀行旧本店の博物館のような感じです。みなとみらい線には駅が五つありますが、馬車道駅と元町中華街駅の表示は明朝体、他の駅はゴシック体で駅名表示されています。みなとみらい線の各駅はそれぞれ別のデザイナーによって設計された為、各駅の雰囲気に合わせた字体を利用したからとのことです。地上に出るとほぼ正面に旧横浜正金銀行の正面入口があります。(現在は神奈川県立歴史博物館)横浜正金銀行は1879年(明治12年)に貿易関連の金融を行うことを目的に設立されました。福澤先生も設立に関わったとされています。今回の遠足で唯一福澤先生と直接縁のある建物です。正面玄関の上には立派な塔があり愛称はエースの塔です (以前はジョーカーの塔と呼ばれていました)。馬車道の通りにある街路灯は今でもガスを利用するガス灯が使われています。皆さんはガス灯の明かりを見たことがありますか。ガス灯の明かりは電球のような橙色に見えます。これはガスの炎の熱でマントルというものを熱してそれが発光する為だそうです。ご興味のある方は是非一度見に行って下さい。
2.馬車道~みなとみらいスカイライン~ハンマーヘッド
馬車道駅を後にしてハンマーヘッド埠頭に向かって歩いて移動します。途中「横浜市認定歴史的建造物」の幾つかを見ながらの散歩です。横浜市認定歴史的建造物は104件認定されていますが、なんと日吉寄宿舎の南寮と浴場棟も認定されています。ご存知でしたか。学生の皆さん大切に使って下さい。途中運河にかかる橋を渡りますが、ここはみなとみらい地区を見る絶景ポイントの一つです。左からランドマークタワー、クイーンズスクエア、インターコンチネンタルホテルが一望できます。これらの建物をじっと見ていると何かに気づくでしょうか。それは、ランドマークタワーを頂点に海に向かって建物が段々と低くなっていくように町が設計されている様子です。これは「みなとみらいスカイライン」と言って、海から見た時に建物が奥に行くほど高くなって町全体が山のように見えるよう設計した為です。外国では、海から見た時に町が奇麗に見えるように設計した港町が幾つかあるようですが、日本では初の試みとのことです。
ハンマーヘッド埠頭に着きました。何かちょっといかつい名前が付いていますが、何のことだか分かりますでしょうか。埠頭の先に大正時代にイギリスから輸入して建てられた、荷物の揚げ降ろしに使うクレーンがありますが、このクレーンの愛称が「ハンマーヘッド」です。ピーク時には十数機あったようですが、今はこの一機が保存されているようです。ここから山下公園の方に移動する時に足元を気を付けて見て頂くと鉄の棒が散見されますが、これは鉄道の線路の名残です。
3.横浜三塔物語へ(三つの塔を一望できる三つの公認スポット)
ここからは横浜三塔物語へ出発です。横浜にはキングの塔 (神奈川県庁)、クイーンの塔 (横浜税関)、ジャックの塔 (開港記念会館)の愛称で呼ばれている塔 (屋根)があります。この三塔を一度に見ることができる場所は限られていて、そのうち三か所の公認スポットを一日で巡ると願いが叶うという都市伝説が横浜にはあります。まず一つ目は赤レンガパークの先っちょです。公認スポットのプレートのある所からちゃんと三塔を見ることができました。次のポイントに行く途中に象の鼻パークがあります。ちょっとユーモラスな名前ですが、沖に防波堤があり、その防波堤がアーチ状になっているので「象の鼻」と呼ばれるようになったそうです。1854年3月8日アメリカのペリー提督率いる使節団が上陸したのもこの辺り(今の横浜開港資料館のある場所)だとされています。同資料館の中庭には当時からある玉楠の木が移植され、今も横浜港を見守っています。横浜開港資料館の横の大通りは「日本大通り」と呼ばれ、1870年に日本で初めてできた西洋風の街路です。ここを50mほど進んだ神奈川県庁の正面に二つ目のポイントがあります。ここの公認スポットのプレートのある所からも三塔をしっかりと見ることができました。いざ最後のポイントである大さん橋へ出発です。大さん橋は木の板が敷き詰められた約450mの桟橋です。大さん橋の中央ではクリスマスの時期にはプロジェクションマッピングも行われるようです。大さん橋の先の方に最後のポイントがありました。ここからも三塔をしっかりと見ることができました。参加された方々の願い事は、この会報が届くころには叶えられていますでしょうか。福澤先生もびっくりされた横浜。新しくてお洒落な町ですがちょっと勉強していくととても面白い町です。皆さんも福澤先生になった気分で出かけてみてはいかがでしょうか。
神奈川県庁(キング) 横浜税関(クイーン) 開港記念会館(ジャック)
(出典:神奈川県HP)
(1985年卒 増田康企)